「ちょっと得する紙の知識」のコーナー、第4回目は「筋入クラフト」についてです。
薄くて筋の入ったクラフト紙
筋入クラフトは、未晒クラフト(一般的な茶色いクラフト紙)より薄く、片面にツヤがあり、表面に筋があるクラフト紙です。寸法は規格サイズが未晒クラフトと同じ、ハトロン判(900mm×1200mm)です。未晒クラフトより薄いので、「薄めのクラフト紙が欲しいのだけれど…」といったお客様から重宝される紙です。
具体的な用途としては、洋裁の型紙、緩衝材、薄い封筒(今はあまり見掛けなくなりましたが昭和の時代は筋入クラフトの封筒はよく見かけました)、それからその他、雑包装として使われています。
「ハトロン紙」=筋入クラフト
なお、筋入クラフトのことを「筋入ハトロン紙」または「ハトロン紙」と言う人もいます。実はハトロン紙とは、筋入クラフトとは別のもので、現在は製造されていない紙です。
「ハトロン紙」の語源は、明らかではありませんがドイツ語またはオランダ語と言われています。そしてドイツもしくはオランダから伝わり、当時、銃弾の薬きょうを包む用途として使われていたのが実はもともとの「ハトロン紙」(「パトロン紙」という人もいます)と言われています。
前述したように、現在は「ハトロン紙」は製造されておらず、筋入クラフトや片つやクラフトがその代替品となっています。そういった背景から筋入クラフトのことを「ハトロン紙」と言う人がいるのだと思われます。恐らく、昔からの習慣が今でも名残として残っているということでしょうか。
また、筋入クラフトや未晒クラフトの規格寸法(900mm×1200mm)のことをハトロン判と言います。これは恐らく、もともとのハトロン紙の規格寸法から由来しているのではないかと思われます。